私に恋する可能性



イン多岐くんのクラス



…お、女の子がすごい

女の子が…いっぱいいる


「遥ー!」

「こっち来てー!」

「多岐ー!」



これは一体


「すげぇなお前の彼氏」


本当それなですよ


「これ無理じゃね?」

「無理…ですね」


いくらKYポジティブキャラだとしても

無理なものはわかる


これはちょっと想定外


人で溢れかえる教室

多岐くんを見ることすらできない


お、おそろしあ



「あぁ!ひなたー!」


げろ

この声は…


振り向く前に体に衝撃が走る


「グハァッ」


蓮斗君のダイレクトバックハグ


「来てくれたんだぁぁ!」


目的は多岐くんだけどね


「ね、こっち来て!」


強引に引きずられる

蓮斗君落ち着いて


「ちょ、ちょ待て待て」


半分首締められるみたいな体制になっていた私を蓮斗君から解放してくれたのは犬飼先生


「えーなんで先生もいんの?」


「ボディガードだよ」


BGなのか先生


「お前ら距離感近くね?」


本当それっすよ

なんとかしてくだせぇ


「いいんですよ、俺ひなたに惚れてるんで」


ぐぬっ

れ、蓮斗くん


「それは多岐くん目当てで言った嘘でしょうが!」


小声でそう呟く

誤解を招くからやめて


「はぁ?何言ってんのひなた」


はひ?


「好きでもない人にここまでイチャつきに来ると思う?普通」


「え?」


「もしかしてわかってなかったの?」


「…はい?」


どういうこと?



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