私に恋する可能性



「あー久しぶりに見たー」



「自称彼女サンだ」




この絡まれ方は


「何ー?遥に会いに来たの?」

「てかまだ続いてんの?」

「話聞かなくなったよねー」


うっさいなぁもー


いつぞやの巻き髪の女の子率いる女子グループ

あーもーここでこの人たちに絡まれるとは

なんかいい感じに忘れてたのに


「ねーまさかまだ付き合ってたりする?」


何がまさかじゃ


「付き合ってますよ」


ツンとして言う


「うわーしつこー」

「よくやるよね遥も」


しつこくて何が悪い

私は一途なの!


「ねーいい加減別れたら?」



「いやです」

「迷惑なの分かんないの?」


そんなの

「多岐くんから迷惑って言われたことないからやめません」


多岐くんに切られるまでは諦めない


そう決断したのは私だ



「うわーうざー」

「自称彼女のくせにね」

「遥がかわいそう」


…ぐぬ


あーもーストレス!

なんで私がこんないじめみたいなのされなきゃなんないの!

多岐くんが好きなんだったら素直に言えばいいじゃん!

こんなひねくれたやり方じゃなくてさ!


バンっと机に手をついて立ち上がり
巻き髪の子を睨みつける


「な、何よ」

「多岐くんが好きならこんなやり方じゃなくて正々堂々勝負しましょう!」

「はぁ?」


だってそうでしょ!


私が多岐くんの彼女なのが気に入らないってのは多岐くんが好きだからでしょ!


だったら私は愛のために戦うんじゃああああ!!(間部ひなたは馬鹿である)

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