愛してるって気持ちだけじゃ届かない

通話を切り、これで来なかったら、殴ってやると握り拳を作った。

まぁ、迎えに来たから、後は2人の問題だと一安心した背後から、誰だかわかる声がし、あっという間に隣にドサッと座った慧。

愛梨はこの後、透によって抱き潰されるだろうと確信する慧は、なぜか対抗意識を燃やしだした。

お酒も最初の一杯だけに留められ、連れていかれたのは、慧のご両親が経営している飲食店の2階にある慧の部屋だった。

初めて入る部屋にドキドキするのは、あちこちに慧らしさが沢山あふれているからだろう。

「適当に座れば」

「私、来てよかったの?」

「当たり前だ。というか、ホテルばっかりじゃなくて、もっと早くに連れてくればよかったな。これからは、休みも合わせてデートもするからな」

「私達ってセフレだよね?」

「まだ、そんなことを言うか!俺たち恋人だろう⁈今まで、ホテルばっかりだったからセフレなんて勘違いさせてたって気がついた。不安にさせてごめん。これからは、堂々と恋人と呼んでいいから、今は…」

正面からそっと抱きしめて来たので、慧の顔を見上げた。

「兎に角、愛しあいたい」

「その前に言う事あるよね?」

顔を真っ赤にさせ「愛してる」と言った慧が、らしくなく可愛くて、飛びつくようにキスをした。

私も愛してると叫んで

〈終〉
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