愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「みんなはもうお昼食べたの?」


私は三人の顔を見比べた。


「うん、菜緒が来る前に先に食べたよ。毛利亭のランチ、すっごく美味しかった!」
「菜緒はつわりが辛そうだって聞いたから、お茶だけにした方がいいかなって思ってね」
「さ、座ろう、座ろう」


みんなの心遣いが温かかった。
三人はデザートとコーヒーを、私と涼介さんは温かいお茶を母に頼んだ。


「それで、今妊娠何ヶ月なの?」
「三ヶ月だよ」
「菜緒がママになるのかぁ」
「そう言えば智美、今日は……?」
「ああ、子どもなら大丈夫よ。旦那が実家に遊びに連れて行ってくれてるから」
「そっか」
「なにかわからないことや、不安があったらいつでも連絡してね。私でよかったら話は聞くし、相談に乗るから!」
「ありがとう、智美」


心強いなと思いながら、私は涼介さんと顔を見合わせた。
同じ考えだったのか、涼介さんがふっと微笑んで頷く。


「けど、まさか菜緒が月島と結婚するなんてねぇ」


デザートと飲み物が運ばれてきて、アイスクリームをスプーンで掬った智美は感慨深げにつぶやいた。


「ほんと、未だに信じられないよね!」
「月島が外部の中学に進学するってとき、泣いてたのは由香なのにね」
「もう、それ今言わないでよ! あの頃は若かったから!」


幸乃にからかわれた由香が、ムッと頬を膨らませる。

たしかに由香は涼介さんのファンだった。
休み時間に涼介さんが体育館や校庭、図書室に移動する際、群がって着いていく〝月島の大移動〟の筆頭だったのだ。

そんな由香も婚約者がいて、年内中に挙式する予定らしい。


「ふたりはお見合いなんだよね?」
「ああ」
「月島は今、実家の会社継いでるの?」
「そう」
「ふうん……」


質問に対する涼介さんの返答が端的なので、智美は手応えがないと思ったのかつまらなそうな顔をする。
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