愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「俺、小学生の頃から菜緒に片思いしてたからな。美結には悪い虫はつかないように注意しなきゃだ」


自分のことを棚に上げて、涼介さんは真剣な顔で言った。


「早速過保護になってるのね」
「もちろん、大切な娘だからね」


飄々と言って、涼介さんはベッドに移動する。

美結はどちらかというと涼介さんに似ているので、心配が尽きないのもわかるけど。
様々な友だち関係を通していろいろな経験をするのだから、その可能性をなるべく狭めないように私が注意してあげたいな。

そんな先のことを真剣に考えていると。


「おいで」


ベッドに横になった涼介さんが、両手を大きく広げる。
私はふっと息を漏らして微笑むと、美結が眠っていることをもう一度確認して、涼介さんのもとに歩み寄った。

涼介さんの胸の中に体を預けると、体の奥からポカポカと温まってくる。
一日中美結を抱きっぱなしでカチコチに固まった腕や、母乳をあげるときに強張って凝った肩と首に、血流が巡るよう。

涼介さんに抱きしめられるだけで、体中がリラックスしている。
アロマテラピーや高級スイーツよりも、私を癒やす効果は絶大だ。


「毎日ありがとう。美結のお世話に家事にって、大変だろ?」


私の体をさすった涼介さんが、落ち着いた声でささやいた。


「無理しないで、もっと俺を頼って。俺は菜緒が毎日笑顔でそばにいてくれたら、それだけで幸せだから」
「うん、ありがとう」

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