愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「そりゃあ、変わったところだってあるでしょうけど。同級生とお見合いで再会するなんて、お母さんは運命感じるな」


思いつめた顔をしていたせいか、母が私の両肩に手をのせ、揉みほぐすように擦る。


「せっかくのご縁なんだし、ここで切ってしまうのはもったいないわよ?」


私の顔を背後から覗き込み、おおらかに微笑んだ。

そこで月島くんが戻って来たので、母は最後に挨拶して部屋を出る。
その後、デザートのアイスクリームが運ばれてきて、食べ終わったところでお開きになった。

部屋を出て玄関まで行く間、月島くんは無言だった。

なにを考えているのだろう……。
寸分の誤差もなく正確に計測して作られた彫刻のように、くっきりと美しい横顔をやや後方から見つめながら私は思った。

高級な革靴を靴箱からお出しする。


「毛利さん」


革靴を履いた月島くんが、私に体を向き直し、真剣な表情で言った。


「今日はどうもありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございました」


お辞儀をして顔を上げた私を、透き通るような澄んだ瞳で、射抜くように見つめる。


「少しずつでいいから、大人になった俺を知ってくれない?」


見つめ続けていると、吸い込まれそうだった。


「俺の性格が変わってるかどうか、毛利さんに判断してほしい」


狼狽した私はグッと喉を引き、息を飲み込む。


「もしかして、母との話……聞いてた?」


月島くんは前髪を揺らし、視線を下げてふっと笑った。
< 12 / 119 >

この作品をシェア

pagetop