愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「渡した写真と釣書、見てないの?」
月島くんは目をしばたかせ、起伏のない口調で言った。
ここはもう誤魔化しようがないので、私は素直に頭を下げる。
「申し訳ないです」
「お見合い、断る気だったんだ」
「いや、断る気というかなんというか……」
「前向きに考えてなかったんだね」
素っ気なく発した月島くんに申し訳なくて、私はグッと頭を垂らす。
「気を悪くしたよね?」
「まあショックだけど、正直に話してくれたのはよかったよ」
覗き込むように見つめられ、うつむいていた私は上目遣いで目を合わせた。
「これから俺が毛利さんを前向きにさせるから、覚悟してて」
予想外の台詞と王子様さながらのキラキラした瞳が眩しすぎて、私は面食らった。
覚悟って……なにを?
意味がわからず、体を少し後ずさりさせる。
「月島くんは、どうしてお見合いを?」
間をもたせるために口走った質問だったけど、無粋かもしれない。
月島くんは不動産売買のほか、マンション建設と都市開発事業を行っている月島不動産のひとり息子。大企業の御曹司だ。
付属小学校から中学は外部の進学校を受験し、その後留学したらしいよ、という話を風の噂で聞いた。
月島不動産を継ぐ立場だろうし、私にはよくわからないけど海外で語学や帝王学を学んで立派な立場になったのだろう。
おそらく結婚相手だって、きちんとした家柄のご令嬢と決まっているのではないだろうか。
「お見合いの話、たくさんあるの?」
「まあ、そうだね」
あっさり同意され、肩の力がかくんと抜ける。
だったら、どうして私とお見合いを?
月島くんは目をしばたかせ、起伏のない口調で言った。
ここはもう誤魔化しようがないので、私は素直に頭を下げる。
「申し訳ないです」
「お見合い、断る気だったんだ」
「いや、断る気というかなんというか……」
「前向きに考えてなかったんだね」
素っ気なく発した月島くんに申し訳なくて、私はグッと頭を垂らす。
「気を悪くしたよね?」
「まあショックだけど、正直に話してくれたのはよかったよ」
覗き込むように見つめられ、うつむいていた私は上目遣いで目を合わせた。
「これから俺が毛利さんを前向きにさせるから、覚悟してて」
予想外の台詞と王子様さながらのキラキラした瞳が眩しすぎて、私は面食らった。
覚悟って……なにを?
意味がわからず、体を少し後ずさりさせる。
「月島くんは、どうしてお見合いを?」
間をもたせるために口走った質問だったけど、無粋かもしれない。
月島くんは不動産売買のほか、マンション建設と都市開発事業を行っている月島不動産のひとり息子。大企業の御曹司だ。
付属小学校から中学は外部の進学校を受験し、その後留学したらしいよ、という話を風の噂で聞いた。
月島不動産を継ぐ立場だろうし、私にはよくわからないけど海外で語学や帝王学を学んで立派な立場になったのだろう。
おそらく結婚相手だって、きちんとした家柄のご令嬢と決まっているのではないだろうか。
「お見合いの話、たくさんあるの?」
「まあ、そうだね」
あっさり同意され、肩の力がかくんと抜ける。
だったら、どうして私とお見合いを?