愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「優作も誘ったんだけど、今日は河本さんと釣りに行くからって断られちゃって」
「そんなんだ。私は誘ってもらえてラッキーだったな。ハンバーグ大好きだから」
それに、ひとりでマンションに籠もって、せっかくのお休みが悶々と考え込んでしまう時間に消えるのはもったいない。
美弥子さんがいてくれてよかったなと思いながら歩いていると、向かい側の通りに高級車が停まっているのが見えた。
涼介さんのと同じ車種で白色だ。
あんなに高級な車、そう何台もないだろう。
私は気になって歩調を緩めた。
運転席のドアが開き、降りて来たのはやはり涼介さんだった。
通りの間に車が行き交うのでその姿は途切れ途切れにしか見えないけれど、今朝マンションから出社したときと同じグレーのスーツを着ているし、見間違うはずがない。
私が見ているとも知らない涼介さんは、助手席側に回りドアを開けた。
「菜緒ちゃん?」
緩めた歩調を完全に止めた私を、美弥子さんは遮っている傘を傾けて不思議そうに見る。
そして、返事をしない私の虚ろな目線をたどった。
「あれって……涼介さん?」
助手席から降りて来たのは、唯子さんだった。
一本の傘をふたりで差し、寄り添って歩いている。
時折、唯子さんが目線を上げ、涼介さんに甘えるような視線を向ける。
濡れないように腕を組み、体は密着していた。
「どなたかしら、あの女性」
美弥子さんは、信じられないものを見てしまったといったふうに声を震わせた。
「涼介さんの同級生の方だって。先日パーティーでお会いしたんだ」
さっきマンションで考えた疑いの続きが、はっきりと脳裏をよぎる。
やっぱりまだ婚姻届を提出していないのは、唯子さんと再会したから?
違う人間なのだから比べても仕方ないけれど、彼女が私よりもすべてにおいて優れていると改めて気づいたとか?
「そんなんだ。私は誘ってもらえてラッキーだったな。ハンバーグ大好きだから」
それに、ひとりでマンションに籠もって、せっかくのお休みが悶々と考え込んでしまう時間に消えるのはもったいない。
美弥子さんがいてくれてよかったなと思いながら歩いていると、向かい側の通りに高級車が停まっているのが見えた。
涼介さんのと同じ車種で白色だ。
あんなに高級な車、そう何台もないだろう。
私は気になって歩調を緩めた。
運転席のドアが開き、降りて来たのはやはり涼介さんだった。
通りの間に車が行き交うのでその姿は途切れ途切れにしか見えないけれど、今朝マンションから出社したときと同じグレーのスーツを着ているし、見間違うはずがない。
私が見ているとも知らない涼介さんは、助手席側に回りドアを開けた。
「菜緒ちゃん?」
緩めた歩調を完全に止めた私を、美弥子さんは遮っている傘を傾けて不思議そうに見る。
そして、返事をしない私の虚ろな目線をたどった。
「あれって……涼介さん?」
助手席から降りて来たのは、唯子さんだった。
一本の傘をふたりで差し、寄り添って歩いている。
時折、唯子さんが目線を上げ、涼介さんに甘えるような視線を向ける。
濡れないように腕を組み、体は密着していた。
「どなたかしら、あの女性」
美弥子さんは、信じられないものを見てしまったといったふうに声を震わせた。
「涼介さんの同級生の方だって。先日パーティーでお会いしたんだ」
さっきマンションで考えた疑いの続きが、はっきりと脳裏をよぎる。
やっぱりまだ婚姻届を提出していないのは、唯子さんと再会したから?
違う人間なのだから比べても仕方ないけれど、彼女が私よりもすべてにおいて優れていると改めて気づいたとか?