愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~



涼介さんに、私は親としてまだまだちっとも自覚が足りないと言われた気分のまま、数日が経過した。

食べられるものは相変わらずおむすびやフルーツくらいで、心配した母から出勤停止を言い渡された。
実は母も兄と私を出産するときつわりが重いタイプで、妊娠悪阻で入院も経験しているので気持ちがわかると言い、とても心配してくれた。

どうしても食事を作れない日は母や美弥子さんがフルーツを差し入れてくれたり、涼介さんに帰宅する際に買って来てもらってなんとか過ごしている。


「菜緒、体重減ったんじゃない?」


食べられるもののひとつのお茶漬けをれんげで掬い、私は正面の涼介さんを見返した。


「そうかな」


気力なく笑った私に、涼介さんは心配そうに眉を寄せる。


「明日はなにを買って来たらいいかな。食べたいものはない?」
「うーん、シャーベットが食べたいかな」
「シャーベット?」
「うん、さっぱりするから」
「了解」


言いながら、箸を置いた涼介さんは立ち上がった。


「何味がいい?」
「え、今から行くの⁉」
「うん」


臆面もなく、涼介さんは頷く。


「い、いいよ! 明日でいいから。今はもう遅いし」
「今買って来て、冷凍庫で冷やしておけばいつでも食べれるだろ? すぐ戻って来るから、待ってて」
「でも……」
「フルーツ味ならなんでもいいの?」
「あ、うん、ていうかいや、ちょっと待って」


私が引き止める声も最後まで聞かずに、涼介さんは車のキーと財布を持つと玄関から出ていった。

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