愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~

そして、宣言通り数十分と経たないうちに帰って来た。手にはビニール袋を持って。


「近所のスーパーでさっぱりしそうなアイス、あるだけ買って来た」


様々な種類のカップアイスがびっしりつまったビニール袋を目の高さに掲げた涼介さんは、冷凍庫に仕舞った。


「わざわざありがとう」
「早速食べてみる?」
「うん」


涼介さんがチョイスしてくれたレモン味のカップアイスを受け取った私は、早速スプーンで掬って口に含む。
しゃりしゃりしたシャーベット状になっていて、口あたりがとても爽やかですごく美味しく感じた。


「美味しい!」
「少しは元気出た?」
「うん……心配かけてごめんね」
「謝るなよ、もっと俺を頼って?」


涼介さんにポンと頭をなでられ、私はこくりと頷いた。

それから数日経ち、クリニックでの二回目の診察で無事に赤ちゃんの心拍が確認できた。
超音波写真に写った我が子は、二週間前よりも大きくなっていて、私は心の底から安堵した。


「元気に育ってくれてありがとう」


帰宅して、ソファに座ってひとりつぶやく。


「姿を見れてうれしい。早く会いたいな……」


診察に付き添ってくれた涼介さんが、ノンカフェインのたんぽぽコーヒーを淹れてくれた。
最近のお気に入りで、ホッとする味。


「そうだな。きっと男の子でも女の子でも、菜緒に似てかわいいよ」


カップを持った涼介さんが、ニッと口端を上げる。


「〝涼介さんに似てかわいい〟でしょ?」


再会して二ヶ月経つけれど、一緒に生活していても未だに涼介さんのハンサムさに目を見張るときさえある。
例えばこういうコーヒーを啜る横顔とか、お風呂上がりの無防備な色気、スーツのジャケットを羽織る瞬間の仕事に挑む男の顔とか。

何気ない仕草一つひとつが、私を魅了して止まない。

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