熄えないで


―――
――



───吉乃くんとのデートの日。



私は家に帰ってから、その日の出来事を何度も頭の中で思いだしては、布団の上で足をバタバタさせて暴れていた。



咲斗と瑛斗からは、あの後すぐ電話がかかってきた。


「吉乃 良い奴だ、ぜったい」
「俺もそう思う。俺らの直感は正しい」


「ニチのこと、あいつ多分すげー好きな気がする」
「わかる。俺もそう思う」


「つか今日のニチ、いつもよりかわいかったよな」
「化粧もいつもと違った?なんか、乙女の顔だった」


「髪の毛も巻いちゃって」
「まじ乙女だったよな」



乙女の顔ってなんですか…と思いながらも、“いつもよりかわいい”と客観的にみられるのは素直にうれしい。

小さい頃からずっと一緒に居る双子に言われるのだから間違いないのだろう。

< 166 / 205 >

この作品をシェア

pagetop