寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~

「今日は? 暗いところには行かずに買い物とかテーマパークに行ってもいいし、あえて映画とか暗い場所に挑戦してもいいよ。今日は俺がいるから、手を繋いでてあげるし」

「え! 本当ですか!」

ひとつの案として言っただけなのだが、彼女の食い付きは予想以上だった。

雪乃は映画館に食い付いたのではなく、晴久が手を繋いでいてくれることに食い付いたのだが、彼女はそれを悟られないようすぐに「映画に行ってみたいです」と言い直す。

「いいよ。調べる」

すでにボロネーゼを食べ終えていた晴久は、テーブルの上でスマホの画面を操作し始めた。

(優しいなぁ、晴久さん)

その間に、雪乃はゆっくりとパスタの続きを食べる。
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