寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
雪乃は愛しさが堪えきれず、自分から晴久の胸の中に抱きついた。
(晴久さんっ……大好き)
びくともしないが、ありたっけの力でギュウギュウと彼を締め付ける。
「……雪乃。かわいい」
抱きしめ返し頭を撫でる晴久に、雪乃はさらに甘えた視線を向けた。
「……晴久さん……」
柔らかそうな唇に晴久の喉がゴクリと鳴る。
「ここじゃこれ以上できないよ。外だからね」
「そうですよね……」
珍しく、たしなめずに残念そうに目を伏せる彼女に、晴久はたまらなくなる。
「帰ったら覚悟して」
彼の宣告にゾクッと甘い痺れが走った後、雪乃は顔を熱くしてうなずいた。