寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
まだ理解できない、といった顔をしている皆子だが、まるで雪乃をいじめている気分になり、とりあえずそれ以上の問い詰めは保留した。
「分かった。写真のとおり、本当に付き合ってるってことね」
皆子はため息をつき、スマホを引っ込める。なにも話してくれなかった雪乃にむくれつつ、しかしこれを話すとなれば相当な覚悟が必要だろうと心情は理解できた。
「でも大変よ。この写真、女性社員の間で出回ってるんだから」
「……え?」
皆子はさらに携帯画面をいじり、混乱する雪乃にもう一度、今度は別の画面を見せた。
この写真が皆子のもとへ回ってきたときのメッセージ画面である。
【広報部の子から回ってきたよ! 土曜日、デート中の高杉課長を発見だって! ていうか彼女もめちゃくちゃ美人! 誰なんだろ!?】
メッセージを読んだ雪乃は、再びサッと血の気が引いていく。