寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~

「しかし、それでは日常生活が不便でしょう。暗闇と男性を避けて暮らすのは」

「そうですね……でも、今のところはなんとかなっています。職場も総務の仕事なので接客はしていませんし、知っている人なら会話くらいは問題なくできますから」

晴久には不便に違いないように思えたが、彼女はこの制限された生活を毎日送っている。

「今日はたまたま残業で遅かっただけで、普段は六時には帰宅しています。こんなに遅くはなりません」

雪乃は眼鏡の奥で目尻を垂らし、なるべく心配をかけないよう明るい声で話した。

晴久は雪乃が過呼吸を起こしていた間は分からなかったが、彼女の声は穏やかで、聞いていて心地よかった。

そこから彼女の、女性らしく繊細で、おっとりとしているだろう素顔を想像すると、それが美人かは関係なく、好奇心が湧いてきた。

どんな表情をしているのだろう、と。
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