寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~

小山はさらに声を潜め、内緒話をするように晴久に顔を寄せた。

「彼女。いつも地味だし、顔が見えないんであんまり知られてないんですけど、結構いい子なんですよ」

「……そ、そうなのか?」

「毎日早く来て仕事してるし、早朝に内線かけても出てくれるんで営業部は助かってます。レスポンスも早いし、なに頼んでも嫌がらないでやってくれるんで、俺らの間じゃ電話かけて細川さんが出ると当たりなんですよ」

たしかにいい子だった、晴久も同感だとうなずく。

「……それに実はあの子、めっちゃくちゃ美人らしいんです」

「なっ……」

晴久は初めて小山の噂話に身を乗りだし、「なんでそんなこと知っているんだ」とすごい剣幕で尋ねた。
ガクガクと彼の肩を掴んで前後に揺らす。

小山も圧倒されながら「それは」と続けた。
< 63 / 247 >

この作品をシェア

pagetop