寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「俺、総務に彼女がいるんですよ。相葉皆子っていうんですけど、知ってます?」
「知らん」
「そ、そっすか……。で、皆子が細川さんと結構仲良いんですけど、素顔を見たことあるんですって。清楚で上品で、少し童顔だって言ってました。そんなん俺、下手したら岩瀬さんよりタイプだったりするかも」
腹立つ顔でポッと赤くなる小山に、晴久は呆然とした。
「……お前、彼女いるんだろ」
「あ、はい。まあ一番のタイプは彼女って言ってますよ。怒られちゃうんで。でもそれはそれ、これはこれっすよ」
軽い小山に呆れつつ、晴久は「だが」と付け加えた。
「あまり言い触らさない方がいいんじゃないか。なにか理由があって、本人が隠しているのかもしれないだろう」
ここまで言っては不自然ではないかと不安になった晴久だが、口止めしておかなければ雪乃の身が心配になった。
(それに、あまり他の男に彼女の素顔を知られたくない)
自分の本音に、気づかないふりをする。