寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
途中、テーブルに置いてあった小山のスマホが振動し、その場で震えながら一回転する。小山が手にとって確認すると、メッセージが入っていた。
彼は蕎麦屋にも関わらず「へー!」と声を上げる。
「声が大きい。なんだ、どうした」
「いや、彼女からメッセが来てて」
蕎麦をすするところだった晴久に対し、小山はかまわずスマホの画面を見せた。
ピキンと一直線のヒビか入っており、見づらくて目をこらすとハートマークだらけのメッセージがずらっと縦に並んでる。
恥ずかしげもなくやり取りを見せてくる小山に眉を寄せつつ、今きたという該当の一文を覗き込んだ。
【ついにうちの雪乃ちゃんに好きな人ができたんだって! まだ片思いみたいから秘密って教えてもらえなかったけど。ナイショだよ】
桜の絵文字が散りばめられた皆子のメッセージを読んだ晴久は、蕎麦を詰まらせ咳き込んだ。