寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~

店に備え付けられたティッシュを急いで数枚とって口を塞ぎながら、小山を睨む。
それに気付かない小山はさらにペラペラと補足を話し出した。

「雪乃ちゃんってこの間話した総務の細川さんのことですよ。隠れ美人の」

「……秘密って書いてあるだろ。俺に見せたらまずいんじゃないのか」

喉に引っ掛かった蕎麦をお茶で流し込んだ後、晴久は見てはいけない気がして画面から目を逸らした。

なんでこの小山はいちいち秘密を明かそうとしてくるのか、と苛立ちつつ、心臓はバクバクと鳴っていた。

このタイミングでできた雪乃の好きな人というのが誰だか分からないほど、晴久は鈍感ではない。
昨夜のこともあり、十中八九自分のことだろうと確信していた。
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