白球と最後の夏~クローバーの約束~
だから・・・・ごめん、稜ちゃん。
今日だけはその優しさに甘えてもいいかな?
少し甘えさせてくれないかな?
明日からは“いつも通り”のわたしに戻るから、今日だけ、今のこの瞬間だけでいいの。
わたしに魔法をかけて・・・・。
今日はいろんなことが目まぐるしく変化した一日だった。
ココちゃんの前で大泣きして、生まれて初めて告白をされて、抱きしめられて。
・・・・そして“ごめん”って。
すごく辛かった。
それでも、家に着く頃には稜ちゃんのおかげで笑顔が戻ったんだ。
稜ちゃんの優しさに触れて、心がほんわか温かくなった。
稜ちゃんの魔法はすごい。
男の子でも女の子でも、誰でも笑顔にさせる力がある。
そんな稜ちゃんの魔法にかかったわたしの心は、さっきまでの雨が嘘のように、雲一つないきれいな青空がどこまでも広がっていた。
そして、雨上がりに見た、あの消えかかった大きな虹。
それを一緒に見たいと思う人は、やっぱり稜ちゃん・・・・目の前にいる稜ちゃんなんだ。