白球と最後の夏~クローバーの約束~
わたしは、その2人のシーンを見て心の底から実感したんだ。
“稜ちゃんの力はすごい・・・・!”
って。
“稜ちゃん”っていうだけで、みんなが安心できる。
“稜ちゃん”っていうだけで、みんなが無条件で信じられる。
そこにいるだけでいいというか、精神的な支えというか・・・・。
“青雲の大黒柱”的な存在なんだって、背番号【2】を見つめながらそう思った。
だから、2回の守備も大森君のピッチングは最高で、ほかのポジションのみんなもモチベーションは下がらなかった。
3回表の守備も4回のときも、よく打つ西ノ宮を完璧に押さえきっていた。
試合の中盤・・・・5回以降もそんな攻防が続き、両チームとも無得点のまま決勝戦は進む。
本当に白熱した試合。
本当に痺れる試合。
青く澄んだ夏空の下、ボールを打つ音や応援の声、チームメイトたちの声・・・・さまざまな音が球場に響き渡る。
甲子園出場をかけた緊迫した雰囲気の中、青雲高校対西ノ宮高校の決勝戦は進んでいった───・・。