白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
大丈夫。

萩尾君はバントだってたくさん練習してきたんだもの。

ここで必ず送ってくれる・・・・!


萩尾君は、打席に入った時点で、もうバントの構え。

一塁の根岸君は、タイミングを計りながらジリジリと二塁へ・・・・。


「自信持てー、萩尾ーっ!」

「当てられるぞーっ!」


ベンチでは、そんな声がひっきりなしに飛び交っている。

ワーワー、キャーキャーと、球場全体が異様な熱気に包まれる。


その熱気の中で西ノ宮ピッチャーがフゥーッと息を吐き、そして、すっと構える。

大きく振りかぶって・・・・投げた!


パシッ!


指が抜けたのかもしれない。

1球目は、あわやデッドボールになりそうなボール球だった。

萩尾君はそれを体をよじってスレスレのところで避けた。


萩尾君が打席に入ったときのテーマ曲がガンガン流れている。

応援の声はほとんど悲鳴。


ワンボール。


萩尾君はバットを構え直して次の1球を待つ。

ピッチャーが2球目を投げた!


「ボール!」
 

< 381 / 474 >

この作品をシェア

pagetop