白球と最後の夏~クローバーの約束~
「こらっ!漫才はあとにしてちゃんと試合見ろ!貴重な練習試合なんだからな!」
ベンチにドカッと座って、大股開きの腕組みをした笹本先生が、わたしと岡田君にちっちゃな雷を落とす。
「はい・・・・」
「は〜い」
もとはと言えば、岡田君が変なこと言ったからなのに。
なんでわたしまで・・・・?
そんなわたしたちの横で、応援の部員たちはまたクスクス笑う。
ううっ。
それでも気合いを入れ直してグラウンドに目をやると、稜ちゃんと大森君バッテリーの投球練習。
キャッチャーマスクの上からでも分かるくらい、稜ちゃんの顔はニコニコしていた。
大森君の調整がうまくいったみたいで、自信満々な笑顔だった。
チーム全体を引っぱる稜ちゃんのかっこいい姿、ちゃんとわたしにも届いてる。
笹本先生のまねをして腕組みした岡田君も、大森君の肩と稜ちゃんのリードに満足気に頷いていた。
はぁ。ドキドキする・・・・。
本当に、ここからが試合の始まりだね。
頑張って、稜ちゃん!
頑張って、みんな!