白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
結果は・・・・。

井上君の足より送球が速くて、ベースを踏む前にボールはグローブの中へ。

一塁審判がアウトを取る。


「まぁ、成功だな」

「うん。いいバントだったよね」


少し残念な気持ちが残りはするけど、岡田君とわたしは井上君のバントの出来に顔を見合わせて喜んだ。

本当に上手なバント。
だけど、そこは花北が一枚上手だったってことかな。


ベンチに戻る井上君に、2塁まで進んだ稜ちゃんがニコッと笑っていた。

本当にいいチームになったなぁ、って、ちょっと泣けちゃうよ。


井上君がベンチに戻ってくると、待ってました!とばかりに岡田君が声をかける。


「頑張ればお前もセーフだったんじゃね?」


って。


井上君は、フフッと笑ってベンチに腰を下ろした。

井上君だって分かってるんだ、岡田君の辛いところ。

だから、あれは岡田君なりの誉め言葉なんだってちゃんと分かってる。

だって、2人ともすごく目がキラキラしてるもん。お互いを認め合ってるっていう印だもんね。

見ていれば分かるよ。
 

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