谷間の姫百合 〜Liljekonvalj〜

『お待ちになって、リリコンヴァーリェ嬢。
……お礼を申さねばならないのは、私の方だわ』

そう言って、ウルラ=ブリッド令嬢は膝を深々と折り、リリに対してカーツィをした。

「これぞ、男爵令嬢のカーツィ」というお手本のような、綺麗なだけではない気品と威厳を保った「完璧なカーツィ」であった。

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