谷間の姫百合 〜Liljekonvalj〜
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『探したよ……こんな庭の外れにいたのか』
ふと声がして、四阿の出入り口に目を向けると、グランホルム兄弟が立っていた。
『ビョルンが見当をつけて探していたから見つけられたものの、いくら陽が高い時季といえ、もう夜の九時を過ぎているんだ。
こんな人目につかない場所で、女性二人きりでいられる時間ではないよ』
兄のグランホルム氏が、婚約者に右手を差し伸べながら窘める。
『あら、心配をかけてしまったわね。ごめんあそばせ、アンドレ』
ウルラ=ブリッド令嬢は、悪戯が露見したおさない子どものように肩を竦めた。
『リリコンヴァーリェ嬢、それぞれにお迎えも来たことだし……そろそろ戻りましょうか』
婚約者の手を取った彼女は、ふふふ…とリリに向かって微笑んだあと、ちらりとグランホルムの弟の方を見た。
すると、彼も自分の婚約者に右手を差し出した。
リリはカーツィをして、恭しく彼の手を取った。
『探したよ……こんな庭の外れにいたのか』
ふと声がして、四阿の出入り口に目を向けると、グランホルム兄弟が立っていた。
『ビョルンが見当をつけて探していたから見つけられたものの、いくら陽が高い時季といえ、もう夜の九時を過ぎているんだ。
こんな人目につかない場所で、女性二人きりでいられる時間ではないよ』
兄のグランホルム氏が、婚約者に右手を差し伸べながら窘める。
『あら、心配をかけてしまったわね。ごめんあそばせ、アンドレ』
ウルラ=ブリッド令嬢は、悪戯が露見したおさない子どものように肩を竦めた。
『リリコンヴァーリェ嬢、それぞれにお迎えも来たことだし……そろそろ戻りましょうか』
婚約者の手を取った彼女は、ふふふ…とリリに向かって微笑んだあと、ちらりとグランホルムの弟の方を見た。
すると、彼も自分の婚約者に右手を差し出した。
リリはカーツィをして、恭しく彼の手を取った。