病んでる僕と最強の勇者たち
「それじゃ、シェーラ姫。

オレたちはこのお城に迫る敵を倒してくる。

ついでに闇の魔王、ダーギルも倒して、ベルミータ国に日の光を取り戻すよ」



ブライアンがイケメンな感じでシェーラにそう言うと、シェーラは笑い、その一方でリリーはブライアンに殺気を放っていた。



僕はリリーの鋭い殺気をひしひしと感じながら、早くシェーラの部屋を出るために、ブライアンに話しかけた。



「ブライアンは話は後にしようよ。

急がないと敵が来るよ。

僕たちは敵を倒さなくちゃ」



僕がブライアンにそう言うと、ブライアンは優しく微笑み、小さく頷いて、僕にこう言った。



「明彦の言う通りだな。

まずは敵を蹴散らそう。

楽しみは取っとくものだぜ!」



ブライアンが何を考えているかはともかくとして、ブライアンが戦うつもりになったことは間違いなかった。



僕たち四人は、シェーラの部屋を出る前に顔を見合せ、互いの戦う意思を確認すると、城の外へ行くために歩き出した。



そして僕はシェーラの部屋を出ると、シェーラの部屋を振り返り、純白のドレスに身を包んだシェーラに目を向けた。



すると、僕とシェーラの視線がぶつかり、僕は照れながら、シェーラに微笑んでいた。



僕は闇の魔王、ダーギルを倒した後に、またこのお城に戻り、シェーラに会いたい。



僕はシェーラほどに美しい人を知らないから。



僕はもっとたくさん、シェーラと話をしたいと思うから。
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