病んでる僕と最強の勇者たち
「たいした自信だな、金髪の若造めが。

その自信が本物なら、貴様はこの私と一対一で戦え!

貴様にこの条件が飲めるか?」



僕たちは四人いるのに、一対一で戦うなんてあり得ない。



勝負は命を賭けた戦いで、遊びじゃない。



わざわざそんな不利な条件をのむ人なんて、どこにもいるはずがない。



僕がそう思っていたとき、ブライアンは僕のその思いに反して、あっさりとこう言った。



「おもしれぇじゃねぇか。

お前が言うその一対一の勝負、このオレが受けてやる!」



ブライアンはそう言うと、剣を構え、ダーギルと向かい合った。



そして、ダーギルの馬鹿げた挑発に乗ったブライアンに、リリーの罵声が飛んできた。



「リリーたちは四人パーティなのに、一対一で敵と戦うって、ブライアンはバカなの?

ってか、バカだよね!

本当にバカだよね!」



リリーはブライアンを口ではけなしながらも、ブライアンを心配していた。



そして僕も、そんなリリーと同じ気持ちを抱いていた。



いくら挑発されたからって、一対一でダーギルと戦うブライアンの気持ちが僕にはわからない。



僕はブライアンと共にダーギルと戦いたい衝動を押さえながら、ブライアンの背中を見つめていた。
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