病んでる僕と最強の勇者たち
「何泣いてんだよ、明彦。

明彦は弱くなんてないぜ。

明彦はオレたちの大切な仲間だ」



弱い自分をさらけ出した僕を、ブライアンは大切な仲間だと言ってくれた。



僕はそれがうれしくて、言葉に詰まって何も言えなかった。



「リリーは冒険の中で、何度も明彦君に助けられたよ。

明彦君がいてくれたおかげで、リリーは今でも元気でいれるんだよ。

本当の明彦君は、とっても強い人なんだよ」



リリーはいつものように優しい笑みを浮かべながら、こんなに弱い僕を強い人だって言ってくれた。



僕はそんなリリーの優しさに、こぼれ落ちる涙が止まらなかった。



「明彦が元の世界に戻ったとしても、私たちは決して明彦を忘れない。

明彦は私たちの大切な仲間だからだ」



マギーがこの世界からいなくなろうとしている僕のことを大切な仲間だと言ってくれた。



僕はマギーのその言葉を聞いて、泣き崩れた。



僕は友達もいなくて、人と争うこともできなかった。



僕はそんな自分から変わりたかったけど、どうすれば自分が変われるかもわからずに、自分の小さな世界に閉じこもり、空想の世界に思いを馳せた。



もしも自分が最強と言われるような人になれたら……。



もしも自分が最高の人たちと仲間になれたら……。



もしも自分が弱い誰かを救える人になれたら……。



僕が思い描いていた理想の世界が、この異世界には存在していた。



僕はこの異世界で起きたすべての出来事を決して忘れないと心に誓った。



ブライアン、リリー、マギー……。



三人の大切な仲間のことを、僕は絶対に忘れない。



この異世界で起きたことはすべて、大切な僕の思い出だから。



いつの間にか僕の体が足元から消えていき、僕は自分がこの異世界から去るときが来たことを知った。



そして僕は涙を拭うと、もう二度と会えないかもしれない大切な仲間たちに、自分の気持ちを語り出した。
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