病んでる僕と最強の勇者たち
「そうだよ、明彦君。

リリーたちはきっとまた会えるよ。

リリーたちはまたこの最強のパーティで、またどこかの国を救いにいくんだよ」



リリーはそう言って、黒い三角帽を被ったかわいらしい容姿で、いつものように小首を傾げて微笑んだ。



「どこかの国が窮地に陥ったとき、私たちはきっと、もう一度、パーティを組むだろう。

そのときはまた共に冒険の旅に出かけよう。

私たちはいつまでも変わらぬ仲間だ」



マギーはまっすぐに僕を見つめ、いつまでも僕が仲間だと信じてくれていた。



僕はそのとき、胸まで体が消えていた。



僕はもうすぐこの異世界から姿を消すだろう。



僕は、残されている最後の時間で、僕の思いをみんなに告げた。



「みんな、ありがとう。

僕はみんなと出会えて最高に幸せだよ。

僕はきっともう一度、みんなの元に帰ってくる。

そのときは、また僕のことを仲間として受け入れて欲しい。

僕はまたみんなと一緒に冒険がしたい。

そのときまで……。

さよなら……」



僕がみんなに言いたいことを言い終えたとき、僕の体はこの異世界から消え去った。



だけど僕はこの異世界で起きた出来事を絶対に忘れない。



ベルミータ国の美しい景色。



ベルミータ国の優しい人たち。



美人姉妹のシェーラ姫、ルキア姫。



そして僕の大切な仲間たち。



最強の勇者、ブライアン・シェリー。



最強の、魔法使い、リリー・ネルソン。



最強の剣士、マギー・フォー。



きっとみんなは僕の心の中で、永遠に生き続けている。
< 239 / 239 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

殺戮学園

総文字数/31,310

ホラー・オカルト82ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
夢野学園の花壇に埋められていたタイムカプセル。 そのタイムカプセルを開けたとき、10年間封じ込められていた呪いが発動する。 夢野学園は外の世界と隔離され、その隔離された学園に10年前の在学生、小又兄弟が現れる。 体を弱くいじめられっ子だった小又兄弟は、呪いの力で最強の兄弟となって、夢野学園を支配する。 「オレたちと鬼ごっこをしよう。 オレと良雄が鬼をやる。 グへへへへッ」 小又兄弟に捕まったら殺される。 鬼ごっこはいつ終わるかわからない。 小又兄弟の呪いが解けるまで、学園からは出られない……。
百怪談

総文字数/24,648

ホラー・オカルト72ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この世は恐怖で満ちている。 私は皆さんに百の怖い物語を伝えたい。 皆さんはまだ幽霊や呪いや怨念を信じていないかもしれません。 でも、それは皆さんの近くに存在しています。 嘘だと思うなら、そっと後ろを振り向いて下さい。 皆さんの背後にはいつか皆さんを呪ってやろうと、たくさんの幽霊たちが立っているのです。
カウントダウン

総文字数/123,669

ホラー・オカルト294ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
クラスメイトからいじめを受けて自殺した忍。 彼女はクラスメイトへの恨みと憎しみを『復讐日記』と題して、小説投稿サイトに書いていた。 そんな彼女は未来に絶望して命を絶ったが、ただ一つのことを固く心に決めていた。 自分を蔑み、無視し、仲間外れにしたクラスメイトに復讐する。 自分が味わった絶望をあいつらにも味あわせる。 私は必ず呪い殺す。 私をいじめた憎き奴らを……。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop