世界でいちばんのお兄ちゃん
ただ涙しか出なかった

あの言葉は

ほんとは本心じゃないはず


奏兄……

会いたいよ

料理作ろーよ



寂しいよ











30分後くらい経った頃

㌧㌧

幸「幸祐と昌都だけど、入ってもいいかな?」

私は無言を貫いた

幸「入るね」

2人は入ってきた

ベットの上でぬいぐるみにうずくまる私

幸「結菜ちゃん。カレー美味しかったよ。」

昌「うん。また作って欲しいな」

私はただ無言

幸「結菜ちゃん。

なんか、ごめんね。」

急に謝ってきた

幸「なにも話ないまま、勝手に家族になって、

それは、混乱するよね。

よりによって、養子とか。

信じられないよね。嫌だよね。

ほんとうのお兄さんが居たのにもかかわらず

受け止められないよね。



僕はね、来年、一人暮らしを始めようと思うんだ。

それでね、5人一緒にって

考えててね。

だから、1年以内には出ていくから

迷惑だろうけどよろしくね。」

私はいつも、

そうやって、人を不幸にする



結「今日のカレー…」

涙が溢れてきた

結「私が作ったんじゃない。

私は手伝っただけで

なのに、美味しい、美味しいって



すんごくムカついた

不器用で何も出来なくて

こんなとき、奏兄いればなーって

思ったけど、、

幸祐さんが一緒に作ろうって言ってくれた時

私を食事の仲間に入れてくれた時

奏兄と照らし合わせちゃった

凄く暖かくて

小さい頃、お父さんとお母さんと

奏兄と私で囲んだ食事を思い出して

凄く嬉しかった」


幸祐さんはそっと微笑んだ


「結菜ちゃんが、そう感じたならよかったよ。」









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