七色
「あのさ、金曜仕事終わったら神長の家泊まりに行こうよ。横須賀なら夜は飲めるしさ、海が近いから朝寝坊できるし。楽しそうじゃない?」
「……っていうか、さっき納期まであと一週間っていってなかったっけ」
「超頑張るから大丈夫! でも終わらなさそうだったらチェック手伝ってね」
僕はよっぽど間抜けな顔をしていたんだろう。優月くんは「チェックは冗談だよ」と、周りの乗客が振り向くほど笑った。
誘いを真に受けて良いのかなんて一瞬でも悩んだことが馬鹿らしくなった。よく考えたら、今日だって見ず知らずの僕を引きずって海に連れて行ったくらいなのだから。
「夏のうちに日本でもシュノーケルとかスキンダイビング練習しないとね。だって九月にはサモア行くしさ」
「それ、やっぱり本気なんだ」
「え? だって坂巻さんが言い始めたんだよ」
「……そっか。僕が言ったのか」
そもそもは神長くんの冗談が事の発端だった気がするが、細かいことはもうどうでもよかった。今日のメンバーでサモアの海に行く。これが確定事項だということが、どうしようもなく嬉しかったから。
「なんで笑ってるの、坂巻さん」
「いや、ちょっとね」
窓ガラスに街の明かりと僕らの笑顔が重なった。
「……っていうか、さっき納期まであと一週間っていってなかったっけ」
「超頑張るから大丈夫! でも終わらなさそうだったらチェック手伝ってね」
僕はよっぽど間抜けな顔をしていたんだろう。優月くんは「チェックは冗談だよ」と、周りの乗客が振り向くほど笑った。
誘いを真に受けて良いのかなんて一瞬でも悩んだことが馬鹿らしくなった。よく考えたら、今日だって見ず知らずの僕を引きずって海に連れて行ったくらいなのだから。
「夏のうちに日本でもシュノーケルとかスキンダイビング練習しないとね。だって九月にはサモア行くしさ」
「それ、やっぱり本気なんだ」
「え? だって坂巻さんが言い始めたんだよ」
「……そっか。僕が言ったのか」
そもそもは神長くんの冗談が事の発端だった気がするが、細かいことはもうどうでもよかった。今日のメンバーでサモアの海に行く。これが確定事項だということが、どうしようもなく嬉しかったから。
「なんで笑ってるの、坂巻さん」
「いや、ちょっとね」
窓ガラスに街の明かりと僕らの笑顔が重なった。