異世界和カフェ『玉響』。本日、開店いたします!
 実は、誰にも言っていないが、ひと月ほど前、急に額の右側に、妙な薄紫色の痣ができたのだ。

 見ようによっては蝶のようにも思える形で、綺麗ではあるが、突然出てきたそれが私にはとても気味悪く思えていた。

 ――何なんだろう、一体。

 触ってみても、痛くない。痒くなるわけでもないし、膨らんでいるわけでもない。多分、単なる痣なんだと思う。

 でも、それを誰かに見せようとは思わなかった。

 何故か強烈に隠したいという気持ちになったのだ。

 だけどコンシーラーやファンデーションで隠してみても上手く行かなかった。

 何をしても目立ってしまう痣に、私は仕方なく前髪で隠すことを決めた。

 大人っぽく見せるために分けていた前髪を重めにカットし、痣を隠した。

 それは上手くいったけれども、元々幼く見えるような格好や髪型を嫌がる私を知っている父には、やはりおかしな行動に見えていたようだ。
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