異世界和カフェ『玉響』。本日、開店いたします!
 手を洗い、食品を扱うからと一つに束ねていた髪を解いた。薄い色素の金髪よりの茶色は、父譲りと言っていい色で、パーマを当てたようなウェーブと相まって、昔はよく染めているのかと誤解された。

 その後、父を見て、皆、納得してくれたけれど。

 私はいわゆる、ハーフになるのだけれど、米国人らしい父が英語を喋っているところを見たことはないし、私も日本語しか喋れない。

 エセ外国人と言われたことがあるが、私は日本人だ。

 外見が日本人ぽくないから、外国語を話せるなんて偏見は早くなくなるといい。

「……亜梨子」

 前髪をちょいちょいと直していると、父がじっと私を見つめていた。

「何? お父さん」

「いやな、お前、少し前に前髪を下ろす髪型に変えただろう? それまでずっと前髪を分けて、額を出していたのに」

「……え? それがどうかしたの?」

 ドキッとしつつも平静を装った。

 父は首を傾げている。

「前髪を下ろすと子供っぽくなるから嫌だって、ずっと言っていただろう? そのお前がどういう心境の変化かと思って」

「……」

 父の鋭い指摘に、黙り込んだ。
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