異世界和カフェ『玉響』。本日、開店いたします!
 元通りになりたいと思ってもなかなか難しくて、一人で思い詰めている。

 ――ああ、やっぱり無理だ。お父さんは期待してくれているみたいだけど、私がもう限界。

 才能のない自分にも、そのせいで父とギクシャクしている事実にも、嫌気が差す。こんなのは私じゃない。

 元々私は、グダグダ悩むような性質ではなかった。

 それがおかしくなったのは、玉響を継ぐと言ってから。

 ――やっぱり、私には和菓子職人なんて、到底無理な話だったんだ。

 もう、止めるって言おう。

 父をがっかりさせるのが嫌で我慢してきたけれど、それ以上に、私が限界だから。

 自らの決意を父に告げようと口を開く。

 今なら、言いたいことを言える気がした。
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