激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「はい、今行きます。帰って片づけをしなければなりませんので、失礼します」


私は宝生さんに頭を下げてその場を離れた。



店に帰りワゴンから荷物を下ろし、後片づけをすべて請け負って他の人には帰ってもらった。

家に帰ったら落ち込みそうな気がしたので、働いていたかったからだ。


「ふぅ。大体片づいたかな」


使った道具をすべてピカピカに磨き終え、ストッカーの中の花に話しかける。


「今日もきれいに咲いてくれてありがとう。そろそろ帰るね」


そのとき、玄関のガラスの扉をガンガン叩く音がして振り向いた。


「宝生さん?」


どうして?

先日のように自動扉をオンにして開けると、彼は妙に深刻な表情で私を見つめる。


「まだ花は買えますか?」
「えっ? ……はい」


とっくに閉店しているが、希望なら販売できる。


「それでは、赤いバラを百八本お願いします」


私はその言葉に衝撃を覚えていた。

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