激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
これだけ大きな花束なので、一番ゴージャスに見えるようにした。


「こちらでよろしいですか?」
「はい。おいくらですか?」
「三万八千八百八十円です」


ずっしりと重い花束は、かなり高価だ。
しかし、大切な日なのだろうから問題ないはず。

ブラックカードを受け取り精算を済ませたあと、彼に花束を渡した。

もうこれで会うこともない。


「ありがとうございました」


私は深々と頭を下げたまま上げられなくなってしまった。

まだ彼に数回しか会っていないのに、こんなに胸が痛くなるなんて。


「重森さん」
「……はい」
「重森さんなら、この花束の意味を知ってるよね」


なんて残酷な人なのだろう。
それが別れの言葉?


「そう、ですね」


顔を上げて仕方なく返事をすると、彼は私を凝視している。


「唐突なのは承知している。でも会えなくて気が狂いそうだった」


なに……?


「俺と、結婚してほしい」

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