激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
もちろん、特殊なゼリーで保水処理はしてあるけれど、できるだけ早く花瓶に移してあげないと枯れてしまうのに。


「あはは。まだまだ花には敵わないな」

「あっ、ごめんなさい!」


きっといい雰囲気だったのに、彼の熱い告白を聞いていたら後部座席に置いてあるバラの花束が気になって思わずつぶやいていた。

こういうところがいけないとわかっているのに、簡単には直せそうにない。


「謝らないで。大切なものに没頭するのも紬の魅力のひとつなんだから。俺の家に大きな花瓶があるから、とりあえずそれを使おう。前に紬から買った花を生けたときに用意したんだ」


すぐに花について考えてしまうのが欠点だと思っていたのに、魅力だなんて驚きだ。

それにしても、板垣さんが踏みつけたお花のために、わざわざ花瓶を準備したの?


「行こうか」
「はい」


彼は今度こそエンジンをかけて車を発車させた。

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