激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
私を抱きしめて感情を吐露する太一さんは、いつもの凛とした彼とは違った。

どこか余裕がなくて、危うい雰囲気を漂わせている。


私はそれほど強く思ってもらえていたとは知らず、彼を忘れようとしていたことを後悔した。


「今日は送る」


言葉とは裏腹に、手の力は緩まない。
彼の熱を感じた私は離れがたくなった。


「それじゃあ、行こうか」


ようやく私を開放した彼は、意を決したように言う。

私は先だって足を踏み出した彼のジャケットを思わずつかんでいた。

なに、してるんだろう……。

ハッと我に返り手を離したものの、振り向いた彼にまっすぐに見つめられて動けない。


「紬。俺……情けないけど全然余裕ないんだよ。そんな顔されたら、帰せない」


彼はため息交じりにそう口にしたあと、再び熱いキスを落とした。


「紬が欲しい。抱きたい」


ストレートに欲求を伝えてくる彼に、私はうなずいていた。

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