激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
そう伝えると、彼女は完全にうつむいてしまった。
この照れる仕草もたまらない。


「失礼いたします」


そのとき、店員の声がして俺たちは入口に注目した。


「加代……」


姿を現したのは加代だ。
紬の言う通り、来てくれた。

ようやく顔を合わせられてうれしい反面、緊張感に包まれる。

俺が立ち上がって加代を迎えると、紬も腰を上げた。


「来てくれてありがとう」
「うん。そちらは?」
「重森紬さん」


不思議そうに紬に視線を送る加代に紹介すると、紬は深く頭を下げる。


「初めまして、重森紬です。私、フローリストをしていまして、どうか受け取ってください」


物怖じすることなくにこやかに語りかける紬は、サルビアの花束を差し出している。

紬は受け取りを戸惑う加代の手を取り、それを持たせた。
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