激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「あ、ありがとうございます」


妙に艶っぽい視線を向けられて、タジタジになる。

これが大人の色香というものだろうか。
私にはまったくないや。


数々の上質なお料理をたっぷり堪能して、しかもおいしいお酒も飲めて最高の気分。

おしとやかにしなくてはと緊張いっぱいで訪れたものの、宝生さんが楽しい人ですっかり打ち解けてしまった。


ダメだ。断る文言を考えなくては。


気分は弾んでいるし、もっと話していたいくらいだけど、彼が太平物産の御曹司だと知った今、お付き合いや結婚なんて考えられない。

住む世界が違うもの。


「あっ……」


そんなことを考えながらデザートの黒ごまプリンを口に運ぼうとして、着物にこぼしてしまった。

まずい。レンタルなのに。

慌ててハンカチを取り出して拭いたが、拭き方が悪かったのか余計に汚れが広がってしまい冷や汗が出る。

クリーニングで落ちる? 
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