激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
眼光を光らせどすの利いた低い声を吐き出す太一さんに気圧されたのか、ふたりは逃げるように離れていく。


「どうして……」


ベンチにいたんじゃないの?


「トイレに立ったんだけど、やっぱり心配になって。悪い予感は当たった」
「助かりました」
「気に食わない」


彼は眉尻を上げて私の肩を抱く。


「俺の紬が他の男に触れられたなんて、はらわたが煮えくり返る」


それは大げさじゃない?と思ったものの、彼はいたって真剣だ。

でも、『俺の紬』って、ちょっとくすぐったい。


「太一さんが助けてくれたから大丈夫です」

「うん。俺……両親になんでもかんでも監視されたり、口出しされたりするのが嫌だったけど、そうする気持ちが少しわかったよ」


どういうこと?


「心配でたまらないんだな。大切な人は自分の手で守りたいから」


彼は私を見つめて、口の端を上げる。


「紬。俺がしつこかったら拒否して」
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