激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「はい。彼、本当は私と結婚したくないのかもしれません」
「そんなことは……」


慰めようとしたが言葉が続かない。
あんな態度をとられたら、誰だって不安になる。


「私たち、親同士が決めた結婚なんです。それでも彼は結婚を拒否しなかったし、少しは好いてくれていると思っていたんですけど」


うっすらと涙を浮かべる彼女にハンカチを差し出す。


「失礼ですが、いつもこういう感じでいらっしゃるんですか?」

「どこかぎくしゃくしたところはありました。でも、恋愛結婚ではないのでそれが普通なのかなと思っていたんです」


たしかに、出会ったばかりの頃なら、互いを知るのに多少の時間が必要なのにはうなずける。

私も最初は太一さんの気持ちがよくわからず、不安な日々を過ごしたのだし。

けれども、挙式の話し合いをしているこの時期に、まだ同じような態度なのはどうかと思う。
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