激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「私は飲み物だけで。山村さん、お仕事じゃないんですか?」
「なに、そのよそよそしい呼び方」
だって、もう他人でしょ?と反論したかったものの、彼を怒らせずに話がしたいと考えて従うことにした。
「それじゃあ正也さん」
「仕事は嘘。あんな打ち合わせかったるいだろ。そもそも式なんてしなくていいし」
そんな言い方はひどいと思いながらも、平静を装った。
そしてひと呼吸入れるために注文を出すことにした。
「すみません。ブレンドを」
「承知しました」
緊迫した空気が漂っているので、ウエイトレスの笑顔を見るとホッとする。
それからしばらく沈黙が続いた。
「なんの用ですか?」
彼が黙りこくったままなので、私から質問することにした。
早く解放されたいからだ。
「まだフローリストやってるんだな」
「そうですね。天職なので」
「天職ね……」
意味ありげにため息をつく彼は、コーヒーを口に運ぶ。