激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
電話を切ったあと、店長に許可をもらいローズパレスに向った。

しかし、由実さんに対して申し訳ないという気持ちでいっぱいで動揺を隠せない。


私はワゴンを途中の公園の駐車場に停めて、太一さんに電話を入れた。

仕事で飛び回っている彼はつかまらないと思っていたのに、意外にも三コールで出てくれた。


『紬? 珍しいな、どうした?』

「仕事中にごめんなさい。今、大丈夫ですか?」

『うん。長い会議が終わって休憩中。それで?』


いつもと変わりない彼の声を聞いていたら少し落ち着いてきた。


「先日、カフェで会ったあの人の奥さまが、挙式を延期にしたいと式場に来られたって……。彼、破談にしようとしているのかもしれせん」

『そうだったのか』


彼はため息交じりの言葉を吐きだす。
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