激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「奥さまが私と話がしたいとおっしゃっていて、呼び出されたんです。私、夫婦になる人たちの幸せを祝うためにこの仕事をしているのに、真逆のことをしてしまったんじゃないかと……」


人生の新たな門出に花を添えるのが私たちフローリストの仕事なのに。


『責任を感じているのか?』


自分でもよくわからない。
でも、少なからず私の存在が影響していると思えば、怖くなる。


「わかりません」

『今回の延期、必ずしも残念なのかな?』

「えっ?」

『紬は、あの人と別れて後悔してる?』

「いえ、まったく」


素直な気持ちを吐露すると、彼は電話越しにクスクス笑っている。


『すがすがしいね、その返事。どうしたらいいかもうわかってるじゃないか』

「あ……」

『なんでも計画通りにことが運ぶのが正しいわけじゃない。人生の正解なんて誰にもわらないんだよ』
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