激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
私の異変に気づいた太一さんが心配げに顔をのぞき込んでくるが、これほどの緊張感に包まれたのは初めてで、頭が真っ白になってしまった。

どうしよう。段取りを覚えたはずなのに、思い出せない。


「まず、左のテーブルから……」

「紬。俺が全部リードするから、お前はニコニコしているだけでいい。あっ、転びそうになったら俺の腕を引っ張って道連れにしろ。一緒にひっくりかえるのもいい思い出じゃないか?」


そんなことができるはずもない。

でも、失敗しても気にするなと言っているとわかった。


「わかりました。全力で引っ張ります」
「マジか……」


彼が肩を震わせるので、ようやくカチカチに固まっていた表情筋が緩みだした。


「重森」


そこに、西田さんが私のイメージ通りのブーケを持ってきてくれた。


「上出来だろ。今までで最高の出来だ」

「ありがとうございます。さすが西田さん」

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