激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
出社早々、退職届を手に店長室に向かうと、「重森さん!」となぜか店長が興奮気味だ。


「はい」

「さっき電話が入って、あの宮城(みやぎ)グループの本社の装花関係をすべてうちに依頼したいって。しかも、玄関の装花は重森さんご指名なんだ」

「は?」


宮城グループって……たしか不動産会社や食品会社など、数えきれないほどの子会社を抱える、あの巨大企業グループのこと? 

しかも私を指名ってどうして?


「取締役が知り合いから腕のいいフローリストがいると重森さんを紹介されたそうで、電話をくれたんだ」


口コミということだろうけど、こんな経験は初めてでしばし放心してしまう。


「昨日の件は……、やっぱり取引停止を受け入れようと思う。今朝、重森さんの退職を他のフローリストたちにも知らせたら、皆に反対されてね」

「反対?」

「そう。特に西田(にしだ)なんて、『重森がいなくなったらうちの質が落ちますよ』って脅すんだよ」


西田さんがそんなことを?

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