激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
彼は一旦封筒を手にしたものの、すぐに私の前に戻す。


「でも、あのときのお花代と、残りで今度俺のためにアレンジしてほしい。疲れて家に帰ったときに部屋に花が欲しいから」


仕事の依頼、ということ?


「帰宅したときに重森さんが作ってくれた花束があるなんて、幸せだよね。重森さんがいてくれたら、もっと最高だけど」

「んっ?」


彼は私に視線を絡ませ、真剣な表情で話す。


「ごめん。なんでもない。とにかくこれはしまって。あ、来た来た。これ、好きなのに最近食べてなくて」


宝生さんは運ばれてきたアボカドサンドに目を細める。

優秀なコンサルタントで、大きな商社の御曹司の彼が、私と同じものをおいしいというのが不思議な感じではあるけれど、おいしいものはおいしいか。

私はどうしても受け取ってもらえそうにない一万円を財布に戻し、アレンジフラワーをプレゼントしようと考えていた。


「いただきます」


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