激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
それからふたりでアボカドサンドを食べ始めた。
アツアツのコーヒーが少し冷えた体を温めてくれる。

カップをソーサーに戻したとき、宝生さんがじっと私を見つめていることに気づいた。


「えっと、なにか?」


あまりまじまじと見られることに慣れていなくて面映ゆい。


「その傷、トゲで?」


手の傷を気にしていたのか。


「はい。トゲ取り器があってそれを使うんですけど、大量に入荷するのでどうしても触れてしまうことがあって。少しくらいの傷なら毎日のようにできますし、いちいち治療もしないんです」


ガサガサな上、傷だらけで恥ずかしい。


「重森さんの手、好きだよ」
「ありがとうございます」


先日も『働き者の手』と言ってくれたが、気を使っているのだろう。


「それにしてもフローリストの仕事がこれほど大変だとは知らなかったよ。あんなに手を冷たくしながら、植物は生き物だからと大切に育てて……」
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